
近年、顧客満足度や従業員満足度の向上を目標に掲げる企業も多くなってきています。しかし、取り組んでいるものの満足度が上がらないという悩みを持つ企業も。そこで、この2つの指標の向上を売上アップにつなげるために必要な、4つのポイントをご紹介していきます。
顧客満足度と従業員満足度の向上が、経営の重要指標として見られるようになって久しいですが、取り組み成果に満足できていない企業も多いはず。それは満足度向上の難易度が高いこと、そして顧客満足度や従業員満足度の向上=売上アップにつながっていないからではないでしょうか。
これらの悩みを抱える企業のために、そもそも顧客満足度・従業員満足度が持つ意味、売上アップにつなげるためのポイントまで詳しくご紹介していきます。これをヒントに顧客満足度と従業員満足度を向上し、これからの経営をより良いものに変えてみてください。
顧客満足度と従業員満足度とは?
そもそも顧客満足度と従業員満足度とは一体なんなのか、具体的にご説明していきます。
顧客満足度(Customer Satisfaction=CS)
顧客満足度とは、その商品やサービスが与えてくれるだろうと顧客が期待するレベルを満たしているかどうかを調査、数値化して表す指標です。期待レベルを超えていた場合は顧客満足度は非常に高くなり、下回っていた場合には満足度が下がるため、クレームという形で表出する場合もあります。
この指標が向上すれば、顧客はリピーターになる、あるいはサービス利用頻度が上がるなど、企業の売上アップにつながるといわれているのです。これは1980年代のアメリカで使われるようになり、次第に日本にも浸透してきた考え方です。
従業員満足度(Employee Satisfaction=ES)
従業員満足度とは、従業員が職場環境や人間関係、職務内容について満足しているかを調査、数値化して表す指標です。顧客満足度を上げるためにも必要と考えられ、マーケティング戦略に活用され始めました。
従業員満足度が上がればモチベーションが上がり、モチベーションが上がった状態で顧客に対応することによって顧客満足度の向上につながります。そして顧客満足度が向上すれば、サービス利用が増え、売上アップにつながると考えられているのです。
上記のように、顧客満足度も従業員満足度も業績アップのために用いられるマーケティング戦略です。そうであるにも関わらず、顧客満足度・従業員満足度が向上しても、なぜ売上アップにつながらないのでしょうか。
顧客・従業員満足度の向上を売上につなげる4ポイント
なぜ顧客満足度や従業員満足度が向上しただけでは、売上アップにつながらないのでしょうか?売上アップにつなげるにはまず、この4つのポイントを押さえたフィードバックのとり方をすることが必要です。それぞれがなぜ必要なのかというポイントをご紹介していきます。
1.どんなフィードバック取得方法を選んでいるか
フィードバックを取るときの1番簡単な方法としては、アンケートが有名です。しかしアンケートの場合、顧客や従業員がわざわざ時間を取って記入しなければならないため、大抵のケースにおいては、利用客全体の1%未満の意見しか取得できません。
またサイレントクレーマーといわれるように、不満を持っている方は書くことも手間だと感じて書かない可能性もありますし、可もなく不可もない方は書こうと思わないことが多いはずです。従業員も顧客と同じように考え、むしろ今後働きづらくならないようにフィードバックしない方が多くなることも考えられます。
どなたでも気軽にフィードバックできる方法を選ばなければ、顧客満足度・従業員満足度の集積さえ不可能になってしまうでしょう。気軽なフィードバックを集めやすい方法であれば、意見を集める割合も上げられ、より改善に役立つものになるはずです。
2.悪いフィードバックがある時間と場所はどこか
たとえ悪いフィードバックが取れたとしても、その時間と場所まで顧客や従業員が記入してくれるかはわかりません。クレームという形で表出すれば判明しますが、クレームを言うまでではなくても、不満を持っている方は大勢いるはずです。
不満が発生する特定の時間と場所がわかれば、理由もほぼ確定できるほど絞り込めます。対策も立てやすく、実行しやすくなるのです。時間と場所がわかるフィードバック方法であれば、それらも問題なくキャッチすることができるでしょう。
3.フィードバックがリアルタイムで定期的に取れるか
従来のアンケートなどでは回答された時間とそれが報告として上がってくるまでに長時間を要するため、問題がすでに解消済みかシフトしているケースが多く発生します。フィードバックがほぼリアルタイムで定期的に取れる方法でなければ、顧客満足度・従業員満足度が本当に上がったのか、改善した効果がどうだったのかなど、打ち手を講じた後の状況を把握できません。
これでは次の改善策を実施する立場である従業員のモチベーションもキープできなくなり、顧客満足度が低下する危険性さえあります。定期的でリアルタイムなフィードバックが取得できれば、課題であった対策が効果的だったのかを知れるため、社内の士気も上がることでしょう。
4.悪いフィードバックの理由は何か
悪いフィードバックがあったとしても、そのフィードバック理由が確認できなければ改善方法が見つからない可能性も高いです。アンケートなどであれば概要を記入する場合もありますが、それ以外の簡単なフィードバックでリアルタイムではない場合、その原因を追いかける方法がありません。
リアルタイムで場所もわかる形式のフィードバックであれば、どこで・どのくらいの件数・どんなフィードバックがあるかがわかるため、駆けつけて状況確認をすぐにすることができます。運が良ければ、お客様へ直接謝罪対応をすることも可能かもしれません。
このような4つのポイントを押さえたフィードバック取得、活用方法を用いれば、時間・場所別の課題が明確になり、早急に手を打つことができます。また、打ち手の結果を確認しながら日々改善していくこともできるのです。
このような改善を積み重ねていけば、顧客満足度が上がり、それを感じた従業員の満足度も向上、さらに高い顧客満足度を出すことができます。そのサイクルが生み出せれば、競合優位性も高まります。その結果が、売上アップにつながっていくはずです。
顧客満足度と従業員満足度を上げて選ばれる企業に!
顧客満足度と従業員満足度を上げていくことで、売上をアップしていくための4ポイントをご紹介しました。これまでこの2つの指標に一生懸命取り組んでなかなか成果が見られなかった企業も、このポイントを押さえれば大きく売上改善ができるはずです。
まずは、このポイントをもとに、顧客満足度・従業員満足度の測り方を見直してみてはいかがでしょうか。